傷病手当金の協会けんぽへの給付申請が、2026年1月からオンライン(電子申請)でできるようになりました。
とはいえ、実際どうなのか。当事務所実践レポートを、補足を加えてご紹介します。
従来は会社や社労士事務所を通して郵送による申請のみでしたので、郵送してから入金までは2週間以上かかっていた手続きでした。
ところが、この度加入者本人による電子申請をトライした方は、申請から4日後に振込されたということ。これは早いですね。

傷病手当金の電子申請は難しい?
なお電子申請をやってみてどうだったか、不便さは感じなかったか?
という点については、下記のご意見がありました。
▲マイナポータルアプリはダウンロードしてあったが、初めての人は手間がかかるだろうと思う。
▲医師による証明と事業主の証明の用紙を写真に撮ってデータ化しなければいけない。写真をきれいに四隅が写るように撮る等面倒だった。
〇審査状況が確認できるので安心できた
〇郵送代がかからなかったし日数が短縮できたのはメリット
というのが実際やってみた方の感想です。
とはいえ「面倒だし書き方が分からないから」というお声も当然あると思います。
なにより病気療養中で治療に専念されている方も、復帰したばかりで仕事が忙しいという方もいらっしゃるので、その点については、従来通り会社担当者あるいは弊所へお任せいただければと思います。
■協会けんぽの電子申請、基本のところ
- 開始は2026年1月13日から
- 対象は傷病手当金のほか、出産手当金、出産育児一時金、高額療養費など、給付申請のほぼ全般
- 利用にはマイナンバーカードとマイナポータルアプリが必要
- 利用時間は平日8時〜21時(土日祝・年末年始は利用不可)
- 紙の申請書がなくなったわけではなく、当面は郵送での申請も可能
ここが実務上いちばん大事な点
電子申請ができるのは、被保険者ご本人(一部の申請では被扶養者)と、委任を受けた社会保険労務士だけです。会社(事業主)が従業員に代わって電子申請することはできません。
紙の時代は「会社がまとめて出す」が当たり前でしたので、ここは発想の切り替えが必要なところ。 一方で、会社の役割がなくなるわけではありません。事業主証明(申請書の事業主記入欄)は引き続き必要で、健康保険法施行規則第33条により、従業員から求められた場合、正当な理由なく拒むことはできないと定められています。
したがって、実務上の選択肢は次の3つ。
- 従業員ご本人が電子申請する … 会社は事業主証明を記入して本人へ渡す。振込が早いのが最大のメリット
- 社労士(弊所)が電子申請する … 委任があれば代理で申請可能
- 従来どおり紙で郵送する … 会社担当者が取りまとめて提出
なお、電子申請用の様式は通常の申請書と異なる場合があります。
ご本人にお任せする運用に切り替える際は、必要書類の案内、申請完了の報告方法、差し戻しがあったときの連絡ルートまで決めておくと、社内で止まりません。
[参考リンク]
- 協会けんぽ「健康保険傷病手当金支給申請書」 https://www.kyoukaikenpo.or.jp/application_form/benefit/001/index.html
- 協会けんぽ「電子申請|ご利用の手順」 https://www.kyoukaikenpo.or.jp/electronic_application/application_process/index.html
- 協会けんぽ「電子申請|アップロード必要書類」 https://www.kyoukaikenpo.or.jp/electronic_application/required_documents/index.html
早いのは魅力。でも、無理にご本人へ任せる必要はありません
申請から4日で振込というスピードは、確かに大きなメリットです。 ただ、療養中の方に「スマホで撮ってアップロードしてください」とお願いするのが最善とは限りません。会社が紙で取りまとめる、社労士が代理で電子申請する。状況に応じて選べるのが今の制度です。
三崎経営労務事務所では、給付申請の代行はもちろん、「本人申請に切り替える場合の社内ルールづくり」までご相談いただけます。 最新の実務情報は毎月メルマガでお届けしていますので、あわせてどうぞ。
※本コラムは2026年7月時点の情報にもとづいています。
記事監修
三崎経営労務事務所
特定社会保険労務士 三崎 亜紀子
東京都大田区に事務所を構えて25年。
地元企業の就業規則作成、労務相談を行なっています。
労使トラブルのご相談・解決はお任せください。
柔軟な解決へと導きます。

